欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
エジル、メンディ、フレッジ……。
戦力外がチラつく瀬戸際の男たち。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto Press
posted2019/08/21 19:30
2013年からアーセナルに在籍するエジルだが、ついにその関係に終焉を迎える?
最も期待されていたウィルシャー。
しかし、ラムジーはユベントスに、ジェンキンソンは2部のノッティンガム・フォレストに移籍した。オクスレイド・チェンバレンもリバプールに去った。
5人の中で最も期待されていたのがウィルシャーである。
チャンピオンズリーグで対戦したバルセロナのシャビ(現アルサッド監督)が、アンドレス・イニエスタ(現ヴィッセル神戸)が、口を揃えて「稀に見る才能」と絶賛し、名将ジョゼップ・グアルディオラ(現マンチェスター・シティ監督)をして、「バルセロナでも通用する」と言わしめるほどのレベルだった。
長期欠場を繰り返す理由。
ADVERTISEMENT
ただ、無類の負けん気がウィルシャーの行く手を阻んだ。無理な体勢からタックルを仕掛けたり、高すぎるインテンシティで立ち向かったり、その結果が長期欠場の繰り返しだ。アーセナルで最多の出場数は2010-11シーズンの35試合。その後7シーズンの平均出場数は12.5試合に過ぎず、ローン移籍したボーンマスのデータ(2016-17シーズン)を含めても、16.4試合と戦力とは言い難い。
ウェストハムに移籍した昨シーズンも、度重なるケガで8試合しか出場できなかった。
プレシーズンは好調で、マヌエル・ペジェグリーニ監督も「計算できる選手の1人」と語ってはいるが、ウィルシャーはいつ壊れるかわからない“ガラスの天才”だ。またしても故障者リストに名を連ねるようだと、一気に構想外にもなりかねない。同タイプのシャビやイニエスタがなぜ壊れなかったのか。彼らのもとを訪れ、アドバイスに耳を傾けるべきだ。まだ27歳。いまからでも遅くはない。