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エジル、メンディ、フレッジ……。
戦力外がチラつく瀬戸際の男たち。 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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photograph byUniphoto Press

posted2019/08/21 19:30

エジル、メンディ、フレッジ……。戦力外がチラつく瀬戸際の男たち。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

2013年からアーセナルに在籍するエジルだが、ついにその関係に終焉を迎える?

マンチェスター・シティのメンディはケガに泣いた。

 マンチェスター・シティのバンジャマン・メンディも、昨シーズンはケガに泣いた。太ももやひざの故障が度重なり、10試合の出場に終わった。いや、昨シーズンだけではなく、2017年の夏に入団した後、ピッチに立ったのはわずか23試合だ。ジョゼップ・グアルディオラ監督にすれば、シャレにならない計算外だ。昨シーズンまではファビアン・デルフ(現エバートン)とオレクサンドル・ジンチェンコでやりくりし、今シーズンはPSVからアンヘリーリョを買い戻したものの、メンディほどのダイナミズムは望むべくもない。

 本稿執筆時点で、メンディは9月中にも復帰すると伝えられている。コンディションは整いつつあるようだ。しかし、シティ入団後の経緯を踏まえると、監督、コーチは慎重にならざるをえない。左サイドのキーパーソンとして異彩を放った瞬間に、長期欠場を余儀なくされている。こうしたタイプは計算ができない。実際、チーム内の序列はジンチェンコ、アンヘリーリョに次ぐ3番手だ。ポテンシャルではメンディがはるかに上まわっているというのに……。

センターバックの序列は?

 3シーズン続けて負傷に泣くようだと、シティとの関係は冷え込むだろう。グアルディオラ監督もこう言った。

「二度あることは三度ある、というじゃないか。メンディは負傷に悩み、同じような問題が再発するリスクが付きまとう。最終的にはケガをしない選手、したとしてもすぐに立ち直る選手がポジションをつかむものだよ」

 シティでは、ニコラス・オタメンディの立場もよろしくない。バンサン・コンパニがアンデルレヒトに移籍し、センターバックの序列はアイメリック・ラポルテ、ジョン・ストーンズに次ぐ3番手に上がったが、グアルディオラ監督には評価されていない。マイナスポイントは雑なフィードだ。だからこそ、この夏シティはボーンマスのネイサン・アケ、ユベントスのレオナルド・ボヌッチに興味を示し、高すぎる移籍金に難色を示したものの、ハリー・マグワイア(レスター→ユナイテッド)のエージェントにも接触した。この動きがすべて、といって差し支えない。

【次ページ】 退団が最善策のようにみえる。

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