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ダービー加入決定のルーニー。
「天才」の最後の雄姿を見逃すな!

posted2019/08/22 08:00

 
ダービー加入決定のルーニー。「天才」の最後の雄姿を見逃すな!<Number Web> photograph by Uniphoto Press

入団会見でフィリップ・コクー監督(左)と握手をかわすルーニー。

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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Uniphoto Press

 8月6日、ウェイン・ルーニーのダービー・カウンティへの移籍が発表された。実際には、イングランド帰国が決まったと言うべきか。昨夏に加入したMLSのDCユナイテッドから、今季終了をもってイングランド2部のクラブに籍を移す決心をした一番の理由は、プライベートだ。妻と4人の息子を含むルーニー一家は、海外生活に馴染めなかった。

 異国で暮らすイングランド人を「合法的に入国している異邦人」と歌ったのは、30年以上前に『イングリッシュマン・イン・ニューヨーク』をヒットさせたスティングである。だが、この国の人々の言葉や文化の違いに対する弱さは今も変わらない。表面的には同じ英語圏のアメリカだが、だからこそ「母国とは違う」気持ちが強くなるのかもしれない。同曲の歌詞には「喋る時のアクセントで気づくはず」とある。

肩書きは「選手兼コーチ」。

 ルーニーと幼馴染みのコリーン夫人の故郷の英語は、「マイ・アクセント」が「ミー・アクセント」となる。言ってみれば『スカウサー(リバプール)・イン・ワシントンDC』。日常のふとした瞬間に覚える違和感は、推定週給4000万円近くのサラリーが可能にする優雅な生活の中でも消えることはなかったようだ。

 とはいえ、移籍を決めた理由として「長男の学校」を具体例に挙げてもいるルーニーは、ピッチという職場でワールドクラスとまで讃えられた自らの仕事を通じて、プライベート優先で次なる任地を選ぶだけの資格を勝ち取っている熟練のプロだ。

 それだけの大物が帰って来てくれるのだから、迎える側は素直に喜ぶべきだと思える。来年1月からのダービーにおける肩書きは選手兼コーチだが、33歳の現在も選手としての魅力は健在。加入と同時に独力でDCユナイテッドを優勝候補に押し上げたインパクトは、2007年から5年間在籍したLAギャラクシーに対する、デイビッド・ベッカムの影響をも凌ぐ。ダービー移籍が発表されるまでの約1年間に出場した通算43試合での計23得点には、自陣内から決めた超ロングシュートや鋭いカーブのFKなどベッカムのお株を奪うようなゴールも含まれている。

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