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エジル、メンディ、フレッジ……。
戦力外がチラつく瀬戸際の男たち。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto Press
posted2019/08/21 19:30
2013年からアーセナルに在籍するエジルだが、ついにその関係に終焉を迎える?
退団が最善策のようにみえる。
グアルディオラ監督は、センターバックにも高度なビルドアップ能力を要求する。対人プレーが強みのオタメンディはメニューにない。双方の事情を踏まえると、退団が最善策のようにみえる。
ユナイテッドのフレッジは、構想外でもなければ不満分子でもない。オーレ・グンナー・スールシャール監督の承諾を得て、プレシーズン中に母国ブラジルで挙式。早々とチームに再合流したものの、他の選手に比べるとフィットネス不足は明らかで、開幕戦でベンチから外れていたが大騒ぎする必要はない。現在はマンチェスターで調整に励んでいる。
約76億円の移籍金だったが……。
とはいえ、中盤のレギュラー候補としてフレッジの名前がなぜか聞こえてこない。ポール・ポグバの去就が微妙で、ネマニャ・マティッチの衰えが隠せなくなっているにもかかわらず、だ。調整で後れをとったダメージはやはり大きい。アカデミー出身の大器スコット・マクトミネイ、ハードワーカーとして新境地を開拓しつつあるアンドレアス・ペレイラに小さからぬ差をつけられてしまった。
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スールシャール監督も、「常にコンディションを整え、どのような局面でも闘える選手を優先する」と語った。5200万ポンド(約76億円)もの移籍からわずか1年、フレッジの2シーズン目は難しい形で幕を開けている。
エジル、メンディ、オタメンディ、フレッジ……彼らには何回かのチャンスが与えられるだろう。ただ、調整の遅れは、一度落とした信用は、そう簡単に取り戻せない。悔しさを押し殺して現状に身を委ねるか、新天地で心機一転を図るか。難しい決断のときは、いずれ必ずやって来る。