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変革なきレアル・マドリーにNO!
ジダンも欲しがるポグバ獲得は?
posted2019/08/02 11:30
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Uniphoto Press
「ジダンが宣言した変革の痕跡は一片たりともなし」
レアル・マドリーのインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(ICC)終了後に書かれた『マルカ』紙ウェブ版の見出しである。
今年の3月、いつまで経ってもトンネルから抜け出せないでいるR・マドリーの指揮を改めて引き受けたジダンは、「変革を起こす」と口にしてサポーターに希望を抱かせた。
クラブも協力体制を敷き、今オフにはアザール、ヨビッチ、ミリタン、メンディ、ロドリゴの入団を次々に発表した。プレシーズン序盤の合宿地は当初ロサンゼルスのUCLAで決定していたが、ジダンのリクエストでカナダにあるMLSモントリオール・インパクトの施設に変更された。
そこはリーガとCLの2冠を達成した2016-17シーズン前にも利用した、思い出の場所である。それなのに、蓋を開けると何もかもが実質昨季のままである。
ジダンが選ぶ11人の顔ぶれに大きな変化はなく、パフォーマンスも代わり映えなし。試合中にたびたび集中が途切れ、単純なミスが目につく。アザールを除き、新加入選手は戦力になっていない。
A・マドリーにはまさかの7失点。
ICCの初戦はバイエルンに1-3で敗れた。続いてアーセナルに2-2で引き分け。そして最後は、いついかなるときも負けてはならないはずのアトレティコ・マドリー相手に史上8度目となる7失点(3-7)を喫して惨敗した。
プレシーズンに限っていうと、1-9で敗れた1990年のバイエルン戦以来となる大惨事である。
「夏がくればチームは変わる」と信じ続けてきたサポーターや一般的なサッカーファンは、そんなR・マドリーの現状をどう見ているのか。