フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ロッベンが引退直前に仏誌で告白。
盟友リベリーとバイエルンでの栄光。
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph byStefan Hobmaier
posted2019/08/05 08:00
リベリーとの“ロベリーコンビ”でバイエルンを支えたロッベン。果たして彼はどんな選択をするのか。
ペップこそ世界最高の指導者だ。
――レアル・マドリー、チェルシー、バイエルンとビッグクラブばかりを歩きましたが、最も印象深いのはやはりバイエルンでしょうか?
「そりゃそうだ。ここには10年いるけどすべてを勝ち取ったからね。CLと8度のリーグ優勝、5回のドイツカップ制覇。これ以上の結果を望むのは難しい」
――誰か一緒に仕事したかった監督はいますか?
「ユルゲン・クロップかなあ。彼のボルシア・ドルトムントとはリーグで何度も対戦しているし、CL決勝(2013年)でも戦った。今季は彼のリバプールとCLのラウンド16(0-0、1-3)で対戦した。彼は選手を別次元に導きうる稀有な指導者だ。それはドルトムントでもレッズ(リバプール)でもそうだった。それに性格もとても良さそうだろう」
――バイエルンでもファンハールをはじめグアルディオラ、アンチェロッティ、ハインケスといった監督の下でプレーしていますが、誰が一番印象深いですか?
「ペップの大ファンなんだ。攻撃的なスタイルの信奉者で、彼こそがポゼッションサッカーのプロトタイプであるといえる。練習ではどのセッションでも常にボールを自分たちでコントロールした。彼のスタイルでプレーするのは本当に楽しかった。波長がピッタリ合っていたからね」
――具体的に彼はあなたに何をもたらしましたか?
「彼が赴任した(2013年7月)のは僕が30歳になろうとするときだった。その歳で自分の限界を超えられるとは想像もしていなかった。プレーの予測や判断の正確さ、ペナルティーエリアへのアプローチなどで僕は進歩を遂げた。そうしたディテールの数々が、僕をより完ぺきな選手へと近づけた。ペップこそは世界最高の指導者だ。彼との3年間は、僕のサッカー人生を本当に豊かにした」
ジョゼは勝利にとり憑かれた戦術家。
――チェルシーではスペシャルワン(ジョゼ・モウリーニョ)との出会いがありました。彼にはどんな思い出がありますか?
「ジョゼは勝利にとり憑かれた戦術家だ。彼は勝者のエスプリを僕らに叩き込んだ。彼のメンタルへの働きかけがベースにあったからこそチェルシーは2005年に50年ぶりのリーグタイトルを獲得できた。今から思えば初めて国外に出た20歳のときにモウリーニョのチームでプレーできたのは、僕にとってとても大きな意味があった。
僕には大きなポテンシャルがあり、高く評価していると彼は僕に言ったけど、特別扱いは一切なかった。彼のチームで居場所を確保するために、僕はできる限りのことをした。他に選択肢はなかった。チャンスをモノにするために、できるだけ早く成熟するしかなかった。彼は選手を思い通りに操れるスペシャリストだ。心理面に関して本当に優れている」