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メッシ、イニエスタ以上の宝石!?
ペップが惚れるマンCフォーデン。
posted2019/07/29 11:30
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Getty Images
つまり、その潜在能力はリオネル・メッシやアンドレス・イニエスタよりも上、ということか。
マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督が、フィル・フォーデンを評する際に用いた言葉を額面通りに受け取れば、そうなる。
横浜F・マリノスとのフレンドリーマッチの前日記者会見で、シティ側からその2人が登壇すると知った時、筆者の質問は決まった。昨年12月、チャンピオンズリーグのホッフェンハイム戦を取材した際に、指揮官が「宝石」と称えていた19歳の生え抜きのMFはその後、いかに磨かれているのか──。会見の最後に機会を得て、世界最高の監督にそう尋ねた。
「たしかに、これまでに何度か会見でそう話してきたけれど、本人の前では言ったことがないね」とグアルディオラ監督は隣のフォーデンに目配せをした。「私が選手と監督のキャリアを通じて見てきたなかで、フィルはまぎれもなく最高の才能を持っている選手だ」
Phil is the most, most, most talented player.
「最高」と3回も言った。しかもそのとてつもないキャリアで見てきたうちの、「最高で最高で最高のタレント」というのだ。
ペップが認めるポテンシャル。
現在48歳の指揮官は現役時代、バルセロナの下部組織からファーストチームに上がり、ヨハン・クライフ監督の指導を受け、“ドリームチーム”と呼ばれた黄金期の中核を担った。
ラ・リーガを4連覇し、ヨーロピアンカップ(チャンピオンズリーグの前身)も制したそのチームには、フリスト・ストイチコフやロマーリオ(欧州制覇の翌々シーズンから)がおり、少し後にはロナウドとも1シーズンを共にしている。
指揮官になってからは、バルセロナでメッシやイニエスタ、シャビたちを、バイエルンでアリエン・ロッベンやフィリップ・ラーム、ロベルト・レバンドフスキらを、そしてシティではセルヒオ・アグエロやケビン・デブライネ、ダビド・シルバといった真のトップレベルの選手たちを指導してきた。
そんなグアルディオラ監督が、3度も念を押すように、フォーデンのポテンシャルが一番と認めているのだ。