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ネイマールのバルサ復帰に暗雲漂う。
グリーズマンに146億円、共存は?
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byUniphoto Press
posted2019/07/19 11:45
紆余曲折の後、バルサのユニフォームに袖を通したグリーズマン。メッシ、スアレスとの共存を図ることになる。
全体のバランスと難解なパズル。
あるいは、バルベルデがグリーズマンのためにフォーメーションに手を加える可能性ももちろんある。
一昨季の4-4-2に戻すなら、グリーズマンを右で使うことができる。コパ・アメリカのアルゼンチン代表よろしく4-3-1-2にすれば、メッシをトップ下にして、グリーズマンをセカンドトップのような位置で起用してもいい。
いずれにしろ2人はポジションチェンジを繰り返すだろうから、相手のDFは困惑する。
4-2-3-1ならコウチーニョあるいはデンベレと並べることができる。ただし、バルサのサッカーの肝である中盤は弱くなってしまう――。
まるで難解なパズル。
全体のバランスを保ちながら、選手個々とチームのパフォーマンスを最大限に発揮する布陣をバルベルデは見つけ出さねばならない。プレシーズンは始まったばかりだが、早速頭を捻っていることだろう。
ネイマール復帰説は本当なのか?
2019-20シーズンの開幕は、1カ月後に迫っている。
ところでバルサには「ネイマールをパリ・サンジェルマンから取り戻す」という噂もある。
ネイマール自身が望み、PSG側も売却を容認するようになってきたので、バルサが本気で欲すれば十分あり得る話だ。
実際、今年の6月にはネイマールの早期復帰を予感させる報道が何度かあった。しかし7月に入って状況が変わってきている。
グリーズマンを手中に収めたバルサは、戦力的に満たされた一方で借金を抱える状態に陥った。グリーズマン獲得資金の一部を銀行から借り入れたせいだ。
とはいえ、いまのところネイマールを買い取ろうという姿勢を見せるクラブはバルサ以外に現れていない。3680万ユーロ(約45億円)とも言われるパリSGでの年俸やサッカー史上に残る額になりそうな移籍金を考えると、おいそれと手を挙げるわけにいかないのだろう。