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ネイマールのバルサ復帰に暗雲漂う。
グリーズマンに146億円、共存は?
posted2019/07/19 11:45
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Uniphoto Press
バルセロナがグリーズマンを獲得した。費用は「グリーズマンがA・マドリーに対して支払う契約解除金」に相当する1億2000万ユーロ(約146億円)だ。
ただアトレティコ側は「移籍の合意は違約金が2億ユーロ(約244億円)に設定されていた6月30日より前だった」と主張し、プラス8000万ユーロの支払いを要求している。今後移籍金額が増えるかもしれないが、現時点ではクラブ史上3番目の高額補強である。
R・ソシエダで頭角を現わしたグリーズマンは、アトレティコでの5シーズンで得点力を開花させ、連係とリーダーシップにも磨きをかけた。
彼にはアタックラインの様々なポジションをこなす器用さがあり、R・ソシエダ時代は主に左FW、アトレティコに移ってからは右FW、セカンドトップ、トップ下などを監督の指示に従って務めてきた。
バルサではどこに置かれて、どのような役割を命じられるのだろうか。
バルサの右はメッシの居場所だ。
パスを繋いで相手の守備を崩すバルサの攻撃スタイルで、左利きのグリーズマンの特長を活かすなら右FWだろう。右サイドでの彼は相手のマークを容易に外す。
利き足である左側=フィールドの内側へ向かって動くことが多くなるので、ゴールに繋がるパスを出し、受ける回数も多くなる。すなわちチームのゴールチャンスが増える。
しかし、バルサのスリートップの右はメッシの居場所だ。
昨年、ロシアW杯で頂点に立ったフランス代表で任じられたトップ下でも彼は輝ける。そこでなら、アトレティコで鍛えられた守備力も生きる。が、バルベルデが監督になって以降、バルサにトップ下というポジションはない。
となると、コウチーニョやデンベレから出番を奪っての左FWが濃厚か――。