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控えGKに闘魂注入されて100ゴール。
小林悠と新井章太、川崎愛の儀式。
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/07/17 11:30
安定した決定力を発揮するストライカー小林悠。そして新井章太(右から2人目)も川崎に不可欠な存在だ。
「これで気合が入るならいいや」
そんな対話を経て迎えたのが、4月23日のACL・第4節の蔚山現代戦だ。
小林は久しぶりにワントップで先発することになっており、冒頭で紹介した試合前の「闘魂注入」の儀式も、この試合から始まっている。あのときの等々力競技場のロッカールームでの小林とのやり取りについて、新井は笑って回想する。
「試合前に円陣を組んで、『行こう!』と思って出るときに、いきなり『ショウタ、思いっきり背中を叩いて』って言われたんですよ。これで気合が入るならいいやと思ってやってみたら、あいつ、速攻で点を取ったんです(笑)」
新井の言葉通り、ワントップで起用された小林は、この蔚山現代戦で今季公式戦初得点を記録。これは縁起が良いと、その5日後に行われたヴィッセル神戸戦でも試合前に闘魂を注入すると、リーグ戦でも小林に初得点が生まれた。続くベガルタ仙台戦でも得点を挙げ、公式戦3試合連続得点を記録したのである。
冗談みたいな話だが効果てきめん。
その後に出場した5月7日のACL第5節の上海上港戦では、試合前ではなく後半開始前に闘魂注入をやってみた。
効果が薄くなったのかどうかは謎だが、小林に得点は生まれず。やっぱり前半からだと再び試合前にやってみたところ、その清水エスパルス戦で前半に得点を記録したのだという。
まるで冗談みたいな話だが、これだけ効果てきめんだと、やめる理由もない。
例えば後半から出場した第15節の北海道コンサドーレ札幌戦では、ハーフタイムの練習を終えてロッカーに引き上げていく新井を手招きして呼び、この闘魂注入を行ってから小林はピッチに入っている(同点ゴールを記録)。「あれをやってから、ほとんどの試合で点を取っている。取れなかった試合の方が少ないぐらい。マジですよ」と新井も笑う。