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控えGKに闘魂注入されて100ゴール。
小林悠と新井章太、川崎愛の儀式。
posted2019/07/17 11:30
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph by
J.LEAGUE
「ショウタ、ちょっと背中を思いっきり叩いてくれ」
ある日の試合前のロッカールームで、小林悠は近くにいた味方にそんなお願いをした。
小林が声をかけた「ショウタ」とは、川崎フロンターレの控えGKである新井章太のことである。いきなりの申し出に新井は少し戸惑ったというが、小林は冗談ではなく本気だった。
「今年は点が取れなかったじゃないですか。気合いを入れて欲しいと思って、ショウタにやってもらったんです。思いっきり頼むよって」
頼まれた新井は、かがめた小林の背中をさすりながら、次の瞬間、両手で「バチン!」と勢いよく叩いた。これで気合い入れは完了だ。いわゆる、アントニオ猪木の「闘魂注入ビンタ」のようなものだが、これが今では小林悠にとって欠かせない試合前の儀式となっている。
「100点目は意識してませんでした」
第19節のFC東京戦、小林はJ1通算100ゴールを達成した。
Jリーグでは史上14人目、大卒選手としては中山雅史、藤田俊哉に続く3人目の快挙ではあったが、本人にとっては通過点にすぎないのだろう。積み重ねてきた得点数よりも、天王山の一戦で勝利を収めた結果に満足している様子だった。
「チームが勝つことが一番だったので、100点目というのは意識してませんでした。とにかくチームが勝つためのゴールを決めたかったという一心でやってました。試合が終わって100点目が取れた、勝てたというのはすごく良かったですが、正直、そんなに意識してなかったです」
そして、さらなる高みに向けて意気込みを語った。
「今年始まったときが93点だったんですよね。今年中に取りたいなというのはありましたが、目標は得点王なので。ここから夏が始まりますし、爆発させていきたいと思います」