“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
森保監督が呼び続ける19歳のGK。
大迫敬介「僕は練習生じゃない」
posted2019/06/15 17:30
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Getty Images
「自分がここに来ているのは、チームでのパフォーマンスを評価されてのことだと思っている。僕はA代表の『練習生』でもなんでもないですし、チームの一員として入れてもらっていると捉えています。(キリンチャレンジカップで)2試合出場したのはシュミット・ダニエル選手でしたが、いつでもピッチに立って『日本代表のGK』にならないといけないと思うので、常にこだわりを持ってやっていきたいと思います」
キリンチャレンジカップの第2戦目のエルサルバドル戦後のミックスゾーン。初招集ながら、2試合連続でベンチ入りするも、出場時間がゼロだったGK大迫敬介。筆者の取材にきちんと足を止め、気丈にこう口にした。
大迫はU-22世代の選手が中心の編成となったコパ・アメリカに出場するA代表にも選出されている。コパ・アメリカのみの招集となった同世代の選手が多くいる中、久保建英らとともに、大抜擢と言っていいだろう。
この貴重なA代表の活動期間、彼は並々ならぬ覚悟で臨んでいた。その覚悟はただA代表に選ばれたモチベーションだけでなく、この名誉ある選出の陰に、犠牲にしなければならないものもあったからだ。
U-20W杯を目標としていた大迫敬介。
大迫は、先日ポーランドで行われたU-20W杯に正GKとして挑む予定だった。だが、同大会の期間と、キリンチャレンジカップと日程が被り、さらにコパ・アメリカがU-22世代の選手中心の編成になったこともあり、大迫にA代表選出のチャンスが巡ってくる形となった。
もちろんA代表に選出されることは選手として名誉なことであり、大きな価値がある。しかし、大迫にとってU-20W杯もまた、サッカー人生の中で特別な大会だった。
「チームが立ち上がった時からこの大会を目標にずっとやってきた。そのピッチに立てなかったことはとても悔しいという気持ちは正直あります」