“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
森保監督が呼び続ける19歳のGK。
大迫敬介「僕は練習生じゃない」
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byGetty Images
posted2019/06/15 17:30
19歳でA代表招集となったGK大迫敬介。コパ・アメリカのピッチに立つことはできるか。
影山ジャパンの立ち上げメンバー。
2017年に影山雅永監督率いるU-18日本代表の初期からメンバーに名を連ねていた。その年のモンゴルで行われたAFC U-19選手権予選では正GKの座を掴んだが、'18年のAFC U-19選手権では、1つ下の谷晃生(ガンバ大阪)に正GKの座を奪われてしまった。'17年に高校生ながら広島とプロ契約を交わしたものの、2年間の公式戦の出場はゼロという現実が如実に影響した格好だった。
「自分に何が足りないのか痛感したし、このままでは絶対に終われません。これから全力で毎日に取り組んで、U-20W杯では絶対にレギュラーを掴みたい。世界のピッチに立つのは自分だと思って、高い意識を持って過ごしたい」
当時、そんな意気込みを語っていた。
巻き返しを誓って迎えた今季、大迫はついにブレイクの時を迎えた。広島で正GKに抜擢されると、19歳とは思えない堂々としたゴールキーピングを見せ、正確なポジション取りからの安定したセービングと、カウンターの起点となる正確なキックを駆使し、開幕戦から直近の第14節まで全試合フル出場。リーグ戦5試合連続完封、ACLでも決勝トーナメント進出に貢献するなど、原動力の一人となった。
この活躍で、U-20日本代表での序列も一気に覆った。
ライバル若原らのプレーを見て。
だが、目標としていたU-20W杯の守護神の座は、思わぬ形でライバルに譲ることになった。A代表の合宿中、彼はかつてのチームメイトたちがU-20W杯で活躍する姿に大きな刺激を受けていた。
「ずっと『自分があの場に立っていたらどうだったのだろう』と思いながら観ていました。(若原)智哉のプレーを見てすごく刺激を受けましたし、初戦は1-1で引き分けましたけど、そのエクアドルは南米王者。南米王者たる所以が必ずあると思うので、GK目線で、それが何だったのかを智哉から聞きたい。いろいろ聞き出したいことはあります」