先輩GKと過ごした貴重な時間。

　自分が立てなかった悔しさを味わいながらも、逞しく戦う仲間の姿を見て、今、自分がこのA代表という場所に居る意味を真剣に考えたという。

「U-20W杯に出ている仲間にこっちからも刺激を与えられるようにしたいと思ったし、僕はここに評価されて来ている。それに（川島）永嗣さん、権田（修一）さんは海外でプレーされて、経験豊富ですし、ダン（シュミット・ダニエル）さんは197cmの高さがあって、手足も長い。そういう特徴を持った選手たちと接することでも、自分にとって学ぶことがたくさんあると思った」

　大迫は練習から3人のプレー、練習の合間の態度、ピッチ外の振る舞いなど細かい部分まで目を配り、自分と照らし合わせた。

「権田さんは練習の合間の水を摂るタイミングで、細かい話をしてくれます。川島さんはただのジャンプのトレーニングでも、細かいバネの使い方がちょっと違うんです。リズムというか、『海外基準でやっているんだな』と感じる部分が多かった。それに普段の練習から声やひとつひとつの立ち振る舞いなど、プレー以外の部分でオーラを醸し出して、ピッチの選手にいい影響を与えていました。

　ダンさんはあのサイズで相手からしても、壁というか、大きなプレッシャーを与えられていた。本当に学ぶことが多くて、自分の足りない部分、伸ばしていかなければいけない部分がより明確になって来ました」

“大迫”にも学びを求めた。

　彼にとって学びになったのはGK勢だけではなかった。同じ鹿児島出身で同姓の大迫勇也からは、世界で戦うストライカーとしての意見を聞くことができた。

「ドイツのトップレベルのシュートのインパクトは凄まじいと言っていましたし、GKのレベルも高くて、打ってもなかなか入らないと言っていた。そこは自分が見ている世界と全然違う部分が多くあるなと思いました。凄く勉強になりましたし、早く僕もそのレベルに追いつきたいなと思いました」

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