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ロナウドを超える新記録はマネが!?
CL決勝の26年間を洗いざらい。
posted2019/05/30 07:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Junsei Chida/illustration
今シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝はトッテナムとリバプールのプレミア対決となった。
ロシアW杯以来、海外サッカーをそんなに見ていない人は「今年はメッシやロナウド、モドリッチも出ないのか、残念。早起きや夜更かしまでして見なくてもいいかな~」と考えているかもしれない。
いや、ちょっと待ってほしい。
CL決勝はどんなカードであれ、数々の名勝負やドラマが起きてきた。それは過去のスコアを振り返るだけでも分かるものだ。今のご時世、動画で伝説のシーンなどはお目にかかれるが、試合のスタッツを見てみると「あ、そんなこともあったんだ!」という発見の連続である。
「ゴール」と「プレミア勢対決」という簡単なキーワード2つから調べるだけでも、豆知識は次々と出てくる。「UEFAチャンピオンズリーグ」という名称になった1992-93シーズンから26試合分、いろいろと調べてみた。
スコアレスゲームは1試合だけ。
とても単純な話だが、CL決勝が面白いのは「ゴールが入って、なおかつ接戦になる」という点にある。
一発勝負の決勝というと、負けられない思いが強くなるあまり、堅い試合展開になりそうなイメージがある。しかし、驚くべきことに昨季までの全試合で、120分間を戦った末のスコアレスは2003年のミランvs.ユベントスしかない。当時タレント揃いだったセリエAだが、同国決戦でそんな記録が生まれるのも、守備の国カルチョの文化を感じる。
スコアレスの試合が少ないのとともに、試合展開もタイムアップまで気の抜けない展開となる。それは最終的なスコアの点差を見るとわかる。
PK戦:7試合
1点差:8試合
2点差:6試合
3点差以上:5試合
3点差以上の中には'13-14シーズンのレアル・マドリーvs.アトレティコ・マドリー(4-1)がある。延長戦でレアルが3ゴールを奪って試合を決定づけた一方で、90分終了時点では1-1だった。セルヒオ・ラモスが後半アディショナルタイムに決めた同点ゴールがなければ、アトレティコがビッグイヤーを手にしていたはずの展開だったのだ。
ちなみに、何から何までPKで決着がついたのが、'00-01シーズンのバイエルンvs.バレンシア。120分を戦って1-1、PK戦の末にバイエルンが勝利したが、メンディエタとエッフェンベルクが決めたゴールもPKという展開である。