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ロナウドを超える新記録はマネが!?
CL決勝の26年間を洗いざらい。
 

text by

茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byJunsei Chida/illustration

posted2019/05/30 07:00

ロナウドを超える新記録はマネが!?CL決勝の26年間を洗いざらい。<Number Web> photograph by Junsei Chida/illustration

準決勝では劇的な逆転で勝利したトッテナムとリバプール。最後まで見逃せないスピーディな試合に期待したい。

決勝でもCR7は健在、“2年連続”は?

 PKだろうが、ジダンの“あのボレー”のようなゴラッソだろうが、CLファイナルの舞台でゴールを決めるのはプレーヤーとして最高の気分だろう。その経験をした選手はどんな面々か。

<CL決勝で通算2点以上決めている選手>
4点:クリスティアーノ・ロナウド
3点:ベイル
2点:マッサーロ、リードレ、ラウール、クレスポ、インザーギ、エトー、ミリート、メッシ、セルヒオ・ラモス、マンジュキッチ

 CL通算最多ゴールを誇るロナウドは、やはり決勝でも勝負強かった。そのほかのゴールゲッターの名前を見ても、実績的に納得の面々だ。なお、ベイルは昨季決勝で1試合複数ゴールを決めているが、これはマッサーロ、リードレ、クレスポ、インザーギ、ミリートに次ぎ6人目だった。

 この記録以上にレアなのが、複数クラブでゴールを奪った選手。クリスティアーノ・ロナウド(マンU、R・マドリー)とマンジュキッチ(バイエルン、ユベントス)の2人しかいない。

 その一方で、ロナウドやベイルでも成し遂げていない記録が1つだけある。それは「2年連続、決勝でのゴール」だ。そもそもシーズンをまたいで決勝進出するだけで偉業なのだから、狙ってできる記録ではない。

 しかし、今年は2年連続で決勝進出を果たしたリバプールに候補者がいる。

 サディオ・マネである。

 昨季は一時同点に追いつくゴールを決めたマネだが、試合はご存知の通り1-3でマドリーに敗戦。昨季の雪辱を果たすとともに、マネとしてはCLの歴史に名を刻むチャンスでもある。

意外と多いDFのゴール。

 ただ、ゴールを奪う役割を果たすのはFWばかりではない。見逃せないのはDFのゴール数だ。計9点と、意外と多い。

<DFのゴール>
ボリ('92-93 マルセイユ)
ルシオ('01-02 レバークーゼン)
マルディーニ('04-05 ミラン)
ベレッチ('05-06 バルセロナ)
キャンベル('05-06 アーセナル)
セルヒオ・ラモス('13-14、'15-16 R・マドリー)
マルセロ('13-14 R・マドリー)
ゴディン('13-14 A・マドリー)

 前述したセルヒオ・ラモスだけでなく、センターバックながらガンガン攻め上がるイメージのルシオも決めている。また空中戦自慢のゴディンやキャンベルもセットプレーからゴールを奪っている。

 CL決勝をずっと見てきたサッカー好きなら、サイドバックの一撃も印象深いだろう。「イスタンブールの奇跡」で印象が薄くなっているが、ミランの主将だったマルディーニは開始わずか1分、ピルロからのFKを鮮やかなボレーで叩き込んでいる。バルサに久々の栄冠をもたらしたベレッチの決勝弾、マルセロが中に切れ込んでマドリー決戦を制した追加点も印象的だ。

 今回の両チームにもCBではファンダイクやべルトンゲン、SBならA・アーノルドやトリッピアーとタレントが多い。伏兵と見られがちな彼らが主役になる瞬間も、十分あり得るのではないか。

【次ページ】 なぜか接戦が多いプレミア勢。

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