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新CL案が欧州サッカーを変える?
弱肉強食を加速させる1通の手紙。
posted2019/05/30 10:30
text by
杉山孝Takashi Sugiyama
photograph by
Uniphoto Press
ヨーロッパのシーズンは、ヨーロッパリーグ(EL)とチャンピオンズリーグ(CL)の決勝が終われば幕を閉じる。主要各国リーグはすでに全日程を終えているが、随分と早くに“終了”したところも少なくなかった。
主要どころのイングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランスでは、いずれも昨季王者(マンチェスター・シティ、バルセロナ、バイエルン、ユベントス、パリ・サンジェルマン)がリーグ連覇を果たした。
イタリアとスペインでは11ポイント、フランスに至っては16ポイントもの差をつけて、優勝チームが独走でフィニッシュした。
ドイツとイングランドでは2チームが抜け出したが、それぞれの2位と3位の間には、ブンデスリーガでは10ポイント、ともに勝ち点100に近づこうとする異次元レベルのデッドヒートとなったプレミアリーグでは25ポイントと、“その他”との間に差が開いた。
セリエAの決着も早かった。ユベントスは5試合を残してスクデット獲得を決めている。しかも連覇の記録は、8シーズンにまで伸びた。
ユーベから発信されたCL改革案。
その名門クラブのプレジデントが、欧州にさざ波を起こしている。
アンドレア・アニェッリ氏はユベントスだけではなく、欧州のエリートクラブから成るヨーロピアン・クラブ・アソシエーション(ECA)の会長も務めている。注目を集めているのは、同会長がECAのメンバーに向けて4月に送った手紙だ。
そこには、野心的なプロジェクト案が記されていたという。
汎欧州リーグ、大陸リーグ、新チャンピオンズリーグ………。メディアは様々な呼び方をする。とにかく、アニェッリ会長はCLを大胆に生まれ変わらせる、というよりも、欧州の輪郭自体を変化させようとしているという。