セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
主将が、闘将が、見たCLの悪夢。
ミランが打ち砕かれたトルコの夜。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byLFC Foundation/Liverpool FC via Getty Images
posted2019/05/29 17:30
アンフィールドで行われたチャリティマッチ「リバプール・レジェンズvs.ミラン・グローリエ」のワンシーン。伝説のメンバーたちが再会を果たした。
CLの借りはCLでしか返せない。
今年3月23日、2つのファイナルを戦った両クラブの面々がアンフィールドに集った。
「リバプール・レジェンズvs.ミラン・グローリエ」と銘打たれたOBチャリティマッチは約5万人の大観衆を集め、今や古巣ミランを率いる監督となったガットゥーゾも、ピルロやインザーギら懐かしい顔ぶれとともに再びユニフォームに身を包んでプレーした。
「あの頃ともに戦った僕らは魂で繋がっている。ミランのユニフォームを着てプレーできるとあれば、電話1本でかけつけるさ」(カカー)
彼ら黄金期ミランのOBたちは、イスタンブールでの仇をアテネで討つことができたから、ジェラードやルイス・ガルシアらとグラウンドで相まみえるオファーを受けたにちがいない。
さもなくば、あれほど悔やんでも悔やみきれない敗北を喫した相手と、どうやったら再び笑ってサッカーができるというのだ。
チャンピオンズリーグの借りは、チャンピオンズリーグでしか返せない。
昨年5月26日、レアル・マドリーとの決勝戦でリバプールと指揮官クロップは屈辱的敗北を喫した。
あれから1年、準決勝でバルセロナ相手に3点差のビハインドを覆し、彼らは再びファイナルの舞台に帰ってきた。
キエフで取り逃がした銀色のトロフィーが、6月1日、マドリードで待っている。