プレミアリーグの時間BACK NUMBER
国内3冠マンCはもっと強くなる?
強敵リバプールの出現は大歓迎。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byUniphoto Press
posted2019/05/26 11:30
優勝パレードに沸く数多くのファン。“マンチェスターの強い方”は今や、シティとなっている。
マンUも強敵出現で強くなった。
一方、5月12日に語ったプレミア優勝監督としての一言は本心だったはずだ。最終節後のグアルディオラは最後まで凌ぎを削り合ったリバプールの健闘を称えただけではなく、昨季は不在だった強力なライバルの出現が自軍のレベルアップと王座防衛につながったと考え、「サンキュー・ソー・ベリー・マッチ」と感謝の意まで表わしたのだった。
その瞬間、筆者は22年前――1996-97シーズンのFAカップ決勝を思い出した。
ミドルスブラを2-0で下し、27年ぶりにFAカップ王者となったチェルシーのルート・フリットに「来季はリーグで我々のチャレンジャーになってくれそうだな」と伝えたのは、プレミア王者マンチェスター・ユナイテッドのサー・アレックス・ファーガソンだった。あのとき、ファーガソン監督が言葉の裏ににじませたのと同じ揺るぎない自信を、今回のグアルディオラの発言から感じられた。
1996-97シーズンのマンUは、5年間で4度目のリーグ優勝を連覇で実現したばかり。翌年からはアーセナルが一大ライバルとなったが、実際にチェルシーも新興勢力として台頭するなか、CLも制して国内外3冠となった1998-99シーズンからの三連覇を含め、更にタイトル数を伸ばした事実がある。
時代が流れるなかで、歴史は繰り返される。強力なライバルを得たマンCによる歴史の再現は、十分に現実的だ。