“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
湘南・曹監督がサプライズ視察!
高3若月大和が目指すべきFW像とは。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/05/08 11:15
すでに湘南ベルマーレへの来季加入内定が発表されているFW若月大和。視察に訪れた曹監督も大きな期待を寄せる。
J内定で“若月対策”はさらに厳しく。
若月は1トップとしてスタメン出場し、立ち上がりから爆発的なスピードでチームの攻撃を牽引した。
「大和は裏に抜け出るタイミングが優れている。この年代の子はある程度、ボールが出てから走ってもスピードがあれば間に合うからいいけど、それでは上で通用しない。自分でボールを引き出して、抜けていくこともできるし、足元にボールを受けにいくこともそんなに苦じゃない。この年代の中では、今日もマークは相当厳しいと思うので、それをどう生かしていくのか。この年代の試合を見れば分かる」
曹監督が見所を語っていたように、この試合でも彼には複数のマークがつき、ボールを持ったら2、3人で囲まれるような状況だった。
それでも14分、ペナルティーエリア外の左インサイドでボールを受けると、一気に加速してマークにきた2人をブチ抜くと、寄せてきた3人目のDFにバランスを崩されながらも、右足で強烈なシュート。枠をとらえるも、相手GKのファインセーブに阻まれた。
15分には強烈なスプリントを守備で披露。ビッグチャンスには至らなかったが、前線から猛プレスを仕掛け、相手DFの横パスを誘発させた。41分と43分にも高速ドリブルからシュートを放つなど、前線で存在感を見せつけた。
チームは完敗、反省を口にする若月。
だが、後半は三菱養和の猛攻に合い、3ゴールを奪われ、チームは0-3の敗戦。
それでも何度もスプリントを繰り返す彼の存在は相手からすれば脅威だっただろう。終盤には彼のかき回しからチャンスを作り出していた。
「周りを使ったほうがいい時に仕掛けてしまったり、今日のプレーは良くなかった。相手はまだリーグ戦勝利をしていなくて、僕らもまだ1勝。この試合の重要性は分かっていたし、どうしても自分が点を取って勝ちたいと思いすぎていた。相手を蹴落としてでも結果を出さないといけなくて、『自分が』という強い気持ちが出すぎてしまい、冷静ではない判断をしてしまうのが、自分の悪いところ。それが今日、出てしまった」
試合後、若月はこう唇をかんだ。