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憲剛も家長もいなければ「縦に速く」。
プランBで勝ちきる川崎の王者ぶり。
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byGetty Images
posted2019/04/29 17:00
神戸戦でリーグ戦今季初ゴールを決めたFW小林悠。エースの復調はリーグ3連覇を目指すチームにとって好材料だ。
「攻める・奪う・守る」を使い分けて。
終盤には1点を追撃され、最後はかなり肝を冷やしたが、それでも逃げ切った。これでリーグ3連勝。思わぬ先発出場となったが、得点にも絡む仕事を見せた齋藤学は、試合後にこう胸を張った。
「このメンバーで勝てたことがまた何かにつながるのかなと。もっと(ボールを)保持したかったけど、いろいろなサッカーできた方が強いと思っているので」
ボールを持って攻めるだけではなく、ボールを奪うことにも強みを出す。そしていざとなったら、守りを固めて逃げ切ってしまう。主力を欠いた中で「攻める・奪う・守る」の3つのスタイルを使い分ける懐の深さを出しつつあるのは、アジアでの戦いも含め、今後に向けた明るい材料だ。
小林悠「どれだけ取れるか楽しみ」
そしてリーグ戦今季初ゴールを記録した小林悠。彼にとっては、奇しくも去年の第30節の神戸戦以来となる、約半年ぶりのリーグ戦で決めたゴールの味だった。試合後、その喜びをこう噛みしめる。
「1点取ってここから止まらずに行けるなという手応えはあるし、今日もなんとなく決められるかなという思いもあった。ここからは取っていきたいし、どれだけ取れるか楽しみです」
キャプテンは笑顔を取り戻し、チームはしたたかな戦い方を身につけつつある。平成最後のJリーグ王者は、令和最初の王者にもなるべく、まだまだ進化の途中である。