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不屈の“聖イケル”カシージャス。
急性心筋梗塞も乗り越えられるか。
text by
吉田治良Jiro Yoshida
photograph byGetty Images
posted2019/05/02 17:00
現地時間5月1日の練習で心筋梗塞となり病院に搬送されたカシージャス。無事を祈りたい。
それでもカシージャスは前向きで、愚直だ。
「40歳まで現役を続けるつもりだから、今回の契約で僕のキャリアはポルトで終えることになると思う。この歳になっても信頼を寄せてくれることに感謝している」
さかのぼること3月20日、ポルトとの契約を1年間の延長オプション付きで2020年6月30日まで更新したカシージャスは、そんな風に喜びの言葉を口にしていた。40歳まで現役──。その目標を実現するためにも、やはり細心の注意を払うべきは自身の健康面だろう。
それでも、カシージャスはいたって前向きだ。病院のベッドに横たわりながら、笑顔でサムアップするインスタグラムの写真には、こんなコメントが添えられていた。
「大きな恐怖だが、これで僕はさらに強くなった」
もちろん無理は禁物だし、このまま現役を引退するのではないかという現地報道もあるようだ。しかし、これまでその小さな身体であらゆる困難に立ち向かい、乗り越えてきたカシージャスである。来シーズン、実に21年連続となるCL出場を、彼ならば平然と果たしているのではないかと期待してしまう。
時代の流れと忍び寄る老い、そして心臓の不安に抗いながら、愚直に戦い続ける“聖イケル”。
5月20日、カシージャスは38回目の誕生日を迎える。