球体とリズムBACK NUMBER
W杯直後は波乱が起こりやすい……。
CL4強、決勝の地に降り立つのは?
posted2019/04/30 10:00
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Getty Images
歴史に残る大激戦と最終盤のドラマ。強者たちが誇示した貫禄。ルネサンスを遂げた魅惑の名門──。
8強の激闘を経て、今季のチャンピオンズリーグもいよいよクライマックスに突入する。準々決勝では優勝候補に挙げられていたマンチェスター・シティやユベントスが敗れ、代わりに近年のこのステージでは見慣れない顔ぶれが4強のうち半分を占めた。
W杯直後のシーズンは波乱が起こりやすい。それを証明するように、ベスト4のうち、最新のUEFAクラブランキングで10位以内のチームはバルセロナ(2位)のみ。そのほかは彼らと対戦するリバプール(11位)、トッテナム(18位)、アヤックス(20位)だ。
巨人たちの寡占と予定調和を破るフレッシュなチームの台頭は、フットボール界全体にとって良いことと捉えたい。また、イングランド勢がベスト4に2チーム以上残ったのは10年ぶりだ。CL史上2度目のプレミアリーグ勢同士のファイナルは実現するだろうか。
決勝の開催地を本拠とするアトレティコ・マドリーが16強で敗れ去ったのはちょっと寂しいが、決勝までの残り5試合は、間違いなく世界中のフットボールファンにとって見逃せないものとなる。
57年ぶりvs.22年ぶり。
トッテナム(イングランド) vs. アヤックス(オランダ)
第1戦:5月1日早朝4時 トッテナム・ホットスパー・スタジアム
第2戦:5月9日早朝4時 ヨハン・クライフ・アレナ
この大会の準決勝進出は、57年ぶりと22年ぶり。エリート戦線を揺るがした激震の主役たちだ。ただしどちらも実力に疑いの余地はなく、ここまでの創造性と驚きに満ちた勝ち上がり方は、見事のひとことに尽きる。