“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
熾烈なメンバー選考、新ルールも導入。
開幕迫るU-20W杯の切符は誰に?
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/04/24 17:30
全日本大学選抜のFW上田綺世(右)をマークするCB関川郁万(左)。追加招集となったが練習試合では存在感を示した。
器用な選手が重宝されるDFライン。
CBに目を向けると、三國ケネディエブス(アビスパ福岡)、小林友希(ヴィッセル神戸)、橋岡大樹(浦和レッズ)、瀬古歩夢(C大阪)、角田涼太朗(筑波大学)の5人が選ばれた。ここでは本職というよりも、複数のポジションをこなせる選手を多くセレクトした傾向が見て取れる。
ボランチをこなせる小林、橋岡はCBとボランチだけでなく、浦和では右ウィングバックを任されるなど、選択肢は広い。左利きCB角田は左サイドバックも対応可能だ。さらに三國は、所属チームで右サイドバックを試されるなど経験値を挙げている上、FW出身だけに終盤のパワープレーとしてのオプションも持つ。
ただ、合宿中に負傷で辞退した角田の代わりに招集されたのが、CB一筋の関川郁万(鹿島アントラーズ)だったことを考えると、DFラインの軸を誰とするのか、どのような組み合わせで挑むのか、影山監督は悩んでいるようにも受け取れる。
全日本大学選抜戦では前半は三國と小林のコンビ、後半は小林と関川、途中で橋岡と関川のコンビとなった。複数ポジションをこなせることを加味しても、CBとしては最大が4枚と考えられるだけに、ここもギリギリまで熾烈な競争が起こりそうに感じた。
気がかりな橋岡の負傷。
だが、合宿明けのJ1第8節。神戸戦に右ウィングバックでスタメン出場をした浦和・橋岡は57分に左太もも裏を痛めて倒れこみ、そのまま担架で運ばれてしまった。橋岡はCBの中で一番のユーティリティー性の高い選手だけに、このタイミングで離脱するようなことがあると、チームにとってもかなりの痛手になるだろう。
試合後、松葉杖姿でミックスゾーンに現れた橋岡は「大丈夫だと思います。この格好は大事をとって大袈裟にこうしています」と、軽症を強調したが、無事であることを祈るばかりだ。