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メッシでも歴代1位が遠い記録って?
ゴールとアシストは圧倒的だが……。
posted2019/04/22 08:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
AFLO
「メッシは天使であり、悪魔である」
UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝、マンチェスター・ユナイテッドとの第2戦後、スペインの全国紙である『エル・パイス』がこんな見出しでメッシを称えたのだという。
分かっていても止められないカットインから、絶妙なコントロールシュート。利き足ではない右足で放った、コースが甘いシュートをGKデヘアがこぼしてしまったのも、“メッシだから”という威圧感があったとしか思えない。
天才メッシを称える表現は使い尽くされたように思っていたが、スペイン人エディターもオシャレな表現を使ったものだ。
この2ゴールで、メッシがプレミア勢から奪ったゴールは「24」となった。その内訳は以下の通り。
アーセナル:9点、マンチェスター・シティ:6点、ユナイテッド:4点、チェルシー:3点、トッテナム:2点
もはや「メッシ被害者の会」を作りたいレベルである。
ゴールばかりかアシストでも無双。
スーパーなのが平常運転なので感覚がマヒしているが、2018-19シーズンもメッシは凄い。
イニエスタから継承したキャプテンマークを重圧に感じることもなく、着々とゴールを積み重ねている。それに加えてイニエスタが担っていたアシスト役になるシーンも多いし、直接FKだけで5ゴールも決めている。どんな形からでもゴールを陥れ、もはや神の領域である。
メッシの無双ぶりは数字を見れば明らかだ。リーガ公式サイトとサッカーのデータ専門サイトである『transfermarkt』を参考にすると、4月21日時点でメッシの今シーズン公式戦成績は以下の通り。
<メッシの今季公式戦成績>
リーガ:30試合33ゴール12アシスト
CL:8試合10ゴール3アシスト
国王杯:4試合2ゴール3アシスト
スペインスーパー杯:1試合1アシスト
リーガ、CLともに1試合につき1ゴール以上。むしろ「そりゃメッシだもんね。むしろ国王杯で“2ゴールだけ”なんだ」と錯覚しそうだ。
そしてリーガでは、3度のハットトリックを含む9度の複数ゴール。8試合連続得点もマークしている。得点ランク2位のベンゼマは、12差の21ゴール。最大のライバルだったクリスティアーノ・ロナウドがいなくなったことは独走態勢の一因で、得点王はほぼ確定的だ。