スポーツ百珍BACK NUMBER
メッシでも歴代1位が遠い記録って?
ゴールとアシストは圧倒的だが……。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byAFLO
posted2019/04/22 08:00
息をするような当たり前さでハットトリック。メッシのゴールペースは相変わらず異常だ。
トップ10すら入っていないのは……。
実はトップ10すら入ってないのが、リーガ出場試合数である。
<リーガ通算出場試合数 ※transfermarktより>
1位:スビサレッタ 622試合
2位:ラウール 550試合
3位:エウセビオ 543試合
4位:パコ・ブージョ 542試合
5位:サンチス 523試合
6位:ホアキン 513試合
7位:カシージャス 510試合
8位:シャビ 505試合
9位:ソレール 504試合
10位:イエロ 497試合
――――――――――――
20位:メッシ 448試合
10位のイエロとは約50試合の差だ。今もリーガで健在な選手ではホアキンがランクインし、セルヒオ・ラモスが458試合で14位につけている。メッシがシャビやカシージャスを超えるためには、あと2~3シーズンはフル稼働する必要があるだろう。
ただ出場数に加えて得点数を見てみると、メッシの偉大さを再確認できる。ラウールと比べて100試合以上も出場が少ないのに、ゴール数はほぼ倍。マドリーで長年エースを張ったラウールだって、サッカー史に残るストライカーのはずなのだが……。
最高のメッシをいつまで見られるか。
メッシもこの6月で32歳となる。“今のメッシレベル”を目の当たりにできる時間は、あとどれほど残されているのだろうか。それでもあの圧倒的な技術なら、最低でもあと5年はバルサの10番を背負ってくれるんじゃないかと期待してしまう。
202X年のクラシコで、メッシが節目の試合で貴重なゴールを決める。歓喜に沸く新装カンプノウの中、テクニカルエリアで喜びを分かち合うのは、指導者になったシャビもしくはイニエスタだった――。
そんな漫画でもお目にかかれないようなロマンを夢見させてくれるからこそ、リオネル・メッシは世界ナンバーワンプレーヤーなのだ。