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女子サッカーフランス代表が大変貌!
W杯優勝候補が歩んだ紆余曲折。
posted2019/04/22 10:30
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph by
Pierre Lahalle/L'Equipe
6月7日に開幕するFIFA女子ワールドカップ。開催国として初優勝を狙うフランスは、4月のテストマッチでも日本(3対1)とデンマーク(4対0)に連勝し、コリーヌ・ディアクル監督のもと着々と準備を進めているように見える。
だが、2011年ドイツ・ワールドカップではじめてベスト4に進出し、翌年のロンドン五輪でも同じく準決勝に駒を進めたフランスの、その後の道のりは決して平たんではなかった。世界の頂点が見えたときに、逆にベスト8の壁を越えられずに停滞を続けたのだった。その間、監督は2度にわたり交代し、チームも大きく変動した。
『フランス・フットボール』誌4月2日発売号では、世界制覇を目指すフランス女子代表の紆余曲折の4年間を、フランク・シモン記者が辿っている。はたしてフランスは、昨年の男子に続き女子も頂点を極めることができるのだろうか。
監修:田村修一
ずっと優勝候補と言われながら。
木曜(4月4日)の日本戦、月曜(同8日)のデンマーク戦の準備のためクレールフォンテーンに集合したフランス女子代表23人のうち、4年前のカナダ・ワールドカップを経験した選手はわずか10人に過ぎなかった。
フィリップ・ベルジュロー('98年ワールドカップ・フランス代表GKコーチ。パリ・サンジェルマン監督や男子のユース各世代の代表監督を長く務めた後に、2013年に女子代表監督に就任)に率いられた当時の代表は、自分たちが優勝候補であることを強く自覚していた。
ドイツ・ワールドカップとロンドン五輪でともにベスト4に進んでおり、次の目標は「カナダ・ワールドカップ優勝」と彼女たちが意識するのは極めて自然であるといえた。
チームはリヨンとパリ・サンジェルマン、ジュビシーという3つのクラブからほぼ構成されていた。