ぶら野球BACK NUMBER
平成と令和をつなぐ2019開幕戦。
因縁多き、広島vs.巨人をぶらり。
posted2019/04/02 15:00
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
Yasutaka Nakamizo
春が来た。平成から令和へと球史をつなぐ新シーズンも開幕である。
プロ野球開幕がなぜこんなに心躍らせるかと言ったら、すべては1年ごとにリセットできるからだ。また新たに0勝0敗からのスタート。
残念ながら俺らの人生はそうも言っていられない。3月29日には仕事のミスも借金もチャラになりますなんてことはない。会社の朝礼でそんなオールゼロ宣言をかましたら社会人失格だろう。しっかり責任を取れよと。ならば、せめて野球ぐらいは気持ち新たに楽しみたいものだ。
よしいくぞ、東京ドーム……。
って巨人は11年ぶりのビジター開幕戦。いきなり昨季2勝9敗1分けと大きく負け越した鬼門マツダスタジアム3連戦である。しかも、4年ぶりに復帰した原辰徳が指揮を執り、ストーブリーグにFA移籍した丸佳浩とその人的補償・長野久義を巡る因縁もある。これは現地に行くしかない。今年もぶらり春の野球遠征に出掛けよう。
完全アウェーも、ファンは余裕?
3月29日午後、新幹線で広島駅に到着すると、やはりいきなりあたり一面真っ赤だ。
昨秋にクライマックスシリーズで来たときと同じく、コンビニ店員はカープユニフォームで接客し、いたるところで「カープ観戦ペアチケット」の応援フェアを実施中。広島県下のエディオンで、1000台限定のカープポータブル冷温庫が税別1万9800円で売っているらしい。覚悟はしてきたが、ホテルのフロントからスタジアムまでの道のり、三塁側の内野席もみんなカープユニで巨人ファンはほとんど見当たらない完全アウェーの風景だ。
だが、不思議とアンダーアーマーのジャイアンツパーカーを着ていても緊張感のようなものはほとんど感じなかった。さすがV3の余裕。プロ野球も人間も物事が上手くいっている時は心に余裕がある。巨人ファンもV3時代はそうだった(遠い目)。