Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
<ヒーローの宿命>
斎藤佑樹「プライドを失いたくなかった」
posted2019/04/03 11:15
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Takuya Sugiyama
甲子園の優勝から4年の時を経て、プロの世界へ足を踏み入れた。
大学進学の意味、ライバルとの投げ合い、そして震災――。
プロ9年目を迎えた今、喧騒の中にいた当時の心境を明かした。
大学進学の意味、ライバルとの投げ合い、そして震災――。
プロ9年目を迎えた今、喧騒の中にいた当時の心境を明かした。
ハンカチ王子だと騒ぎ立てる世の中の、度が過ぎた熱から身を守るために、彼は頑丈な殻で身を守るより他に術がなかった。
「外が見たくないわけじゃなくて、外は見たいんだけど、開けたくないんです」
2011年2月、晴れた沖縄の名護。ホテルの窓にかかったレースのカーテンを開ければ、エメラルドグリーンの海が見える。しかし、斎藤佑樹はキャンプが終わるまで、カーテンを開けることはなかった。