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清水FW高橋大悟には野心がある。
屋久島初のJ1選手の夢は東京五輪。
text by
望月文夫Fumio Mochizuki
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/03/26 10:30
ルヴァンカップではスタメン出場を果たした高橋大悟。監督やコーチなど、首脳陣からの評価も高い。
同期でポジションも重なるライバルの存在。
もうひとつ、モチベーションを高めてくれる大きな刺激材料がある。エスパルスに同期加入したMF滝裕太の活躍だ。
3月のU-20日本代表欧州遠征メンバーにも招集され、今季第2節ガンバ大阪戦では途中出場からリーグ戦初得点をマーク。続く第3節コンサドーレ札幌戦でも2試合連続となるゴール、静岡ダービーとなったルヴァンカップのジュビロ磐田戦では決勝弾でチームの勝利に貢献した。
「凄い選手だと思うしリスペクトもしている。だけど、同期でもあるし、ポジションが重なる選手でもあるので、悔しい思いが強い。だからこそ、負けていられないですよ」
ゴールを決める感覚は若手で一番。
チーム内では、その滝にも劣らない評価を受けていることも事実だ。
現役時代にFWとして活躍したクラブOBでもある久保山由清コーチは高橋の才能に目を細める。
「うまくゴールを決める感覚は、チームの若手ではピカイチだと思う。スピードに乗ったままフィニッシュまで持っていくという、自分の形がある選手でもある。加入から順調に伸びているし、さらに磨きがかかっている」
今後の期待度は極めて高い。さらに久保山コーチは、高橋の技術以外の部分にも感心する。
「育った小さな島を中学生から離れているせいか、しっかりと自立している。野心もあるし、成功したいという思いも強い。それと、とにかくサッカーが好き。成長していくには絶対に必要なことだから」
そこまで高い評価を受けながらも、出場機会はあまり巡ってこない。その理由は本人がよく理解していた。