故郷・屋久島への感謝。

　目指す理由には、周囲への感謝という特別な思いもある。

　生まれ育った故郷の屋久島から初めてのJ1プレーヤーとなった高橋には、常に島を挙げての応援がある。故郷に凱旋したときに行うサッカー教室では、子供たちから「逆にパワーをもらって帰ってきます」と感謝を口にする。

「その子供たちのためにも、自分が活躍することで恩返しがしたい。その1つが来年の東京五輪出場だと思っています」

　もし、東京五輪に出場できたら？

「島はお祭りになると思いますよ。試合を応援に来てくれるから、大会期間中は島から人がいなくなるかもしれないですけど（笑）」

「まずはチームで試合に出る」

　とはいえ、自身も認めているように、厳しい状況には変わりない。

　東京五輪代表の下のカテゴリーであるU-20日本代表にもしばらく呼ばれておらず、リーグ戦の出場機会もいまだないのが現実だからだ。

　それでも、コンスタントに招集される先輩DF立田悠悟から、代表選手のことやどんなレベルにあるのかといった話もよく耳にしている。招集されるためのアドバイスをもらうこともある。

「いろいろな話を聞いていると、まずはチームでしっかりと試合に出なければと思います。もちろん、そこでいかに活躍できるかですが。自分で得点を決めたり、アシストしたり、勝利に絡むプレーでアピールしないことには、そこから先の大きな舞台にはたどり着けないと思います」

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