サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
カタール移籍初ゴールから3年前。
手倉森誠が中島翔哉を信じた理由。
text by
占部哲也(東京中日スポーツ)Tetsuya Urabe
photograph byTakuya Sugiyama
posted2019/03/08 11:30
五輪切符をかけた戦いから3年。さらに階段を駆け上がるため、中島は再びカタールの地でサッカーを楽しむ。
守備網をブレイクする個の突破力。
ロシアW杯では、中盤で細かくパスをつなぐことに固執するのではなく、カウンターのリスクを避けながら個の突破力を生かしてボールをアタッキングサードに運ぶチームが躍進した。フランスのムバッペやグリーズマン、クロアチアのペリシッチ、ベルギーのエデン・アザール、デブライネ。4強に進んだチームには、困ったときに独力で中盤の守備網をブレイクする力を持つドリブラーがいた。
中島、堂安律というアタッカーはニュータイプとも言えるだろう。
2019年冬。「今の自分にとって一番楽しそうだなと思えるプレースタイル」というカタールの強豪クラブを選んだ。移籍後の初ゴール。変わらぬ少年のような笑顔が咲いた。一方、相手GKは芝に顔を埋めた。コントラストは美しくも残酷。それはいつの時代も変わらない。
サッカーは駆け引き。よく使われる言葉だが、3年前に身に染みて分かり、教えられた。そして、3年後のW杯。開催地は現在プレーする中東の地。10番を背負う中島と対面したDFがどんな表情を浮かべるのか――。
未知との遭遇か。はたまた、絶望か優越か。今度は目をかっと見開こう。
6年たっても『おまえの目は節穴』と言われないように。