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ポステコグルー2年目のマリノスで、
三好康児と天野純が誓う「優勝」。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/02/20 08:00
マリノスの新10番に任命された天野純。精度の高い左足で鮮やかな攻撃サッカーの旗振り役となれるか。
三好が求める「タイトル」。
ポステコグルー監督が標榜するのは、低い位置からボールをつなぎ、流動的なポジショニングで相手の目線を外してゴールを目指す攻撃的なフットボールだ。今季の新戦力は、そのスタイルの成熟に「貢献してくれそうな選手ばかりだ」と指揮官は満足感を示した。
注目されるべきは、2人のブラジル人アタッカーと李忠成、レギュラーが抜けた左SBを争うタイ代表SBティーラトンと高野遼、そして東京五輪世代の技巧派レフティ三好康児あたりか。特に昨季、北海道コンサドーレ札幌へ1年間の期限付きで移り、コンスタントに出番を得てチームの大躍進に貢献した三好に期待が集まりそうだ。
「去年対戦した時に、(マリノスのプレースタイルが)面白いと思いました。主導権を握ろうとするサッカーは好きだし、自分の特徴が生かせそうだなと。そんなチームに必要としてもらえたのは、選手として嬉しかったです」
今季も1年間の期限付きで所属元の川崎フロンターレを離れ、横浜に来た経緯を、スキルフルな21歳の攻撃的MFは快晴の日の練習後にそう説明した。
昨年のAFC U-23選手権でU-21日本代表の背番号10をまとった三好はしかし、ここでスタイル以上のものを求めている。
「どれだけボールを持てても、勝てなければ意味がない。自分には得点やアシストが求められていると思うので、結果に貢献したいです。チームがタイトルを取るために来ました。マリノスはタイトルを取れるチームだと思うので、自分も貢献したいです」
天野純「観る人を驚かせる」
その思いは、近年のチームの主軸を務めてきた天野純にも共通する。
今季からマリノス伝統のエースナンバーを背負う27歳のプレーメーカーは、決意に満ちた表情でこう話した。
「いくら良いサッカーをしても、去年みたいな順位ではダメ。時間帯によっては、現実的なサッカーをする必要もあると思います。監督は90分間ずっとつなぎ倒すことを理想としているけど、ピッチレベルで選手たちが話し合って、しっかり耐える時間も作らないといけない。J1で90分間ずっと支配し続けるのは難しいと思うので。(新シーズンは)優勝しか狙っていない。開幕から、観ている人たちを驚かせるようなサッカーをして、勝ちたいです」