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香川真司「周りがいくら騒ごうが」
熱狂のベシクタシュで今思うこと。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2019/02/14 11:00
ホーム初戦で香川は得点に絡めなかったが得意のターンで攻撃のリズムを作った。ファンの期待も日ごとに高まっているようだ。
攻撃でうまく連係できたら。
そこで紹介したいのは、UEFAが選定するクラブランキングである。直近5シーズンのUEFA主催大会での成績を元にしたものだが、イスタンブールに本拠地を置くトルコ3強のランキングは以下の通りだ。
ベシクタシュ22位、フェネルバフチェ47位、ガラタサライ70位(ドルトムントは11位)。
ベシクタシュは3強で最も上のランキングにつけている。チームを率いるギュネシュ監督は、2000年7月から2004年6月30日までトルコ代表監督を務めた。日韓W杯で収めた3位という成績は、トルコサッカー界の金字塔でもある。
今季はイスタンブール・バシャクシェヒルFKが首位を快走している。そこから勝ち点6離された2位にガラタサライが、さらに勝ち点3差の3位にベシクタシュがつけている。
そんな新天地トルコでの2試合を終えた香川はこう話す。
「サッカーの仕方、クオリティーは(ドイツと)違ったものかなと思います。スペースがあると感じる一方で、個の強さがある。攻撃で上手く連係できたら、もっとスムーズに点が獲れるのかなと思います。
出場時間がだんだん増えていっているのは、非常に良いこと。ただ仲間とのポジショニングやボールが欲しいタイミングには少しズレがあります。練習でもそうなので、次の1週間に向けて修正していかないと、と思います」
クロス勝負が多いベシクタシュ。
ベシクタシュは今シーズン、ここまでリーグ2位の40ゴールと上々の成績だ。そんな彼らの攻撃には明確な特徴がある。
ロングパスの割合がガラタサライやフェネルバフチェ、首位バシャクシェヒルよりも多い。さらにクロス数、ヘディングでのゴール数とシュート数、そして1試合当たりのペナルティエリアでのタッチ数もリーグトップである。
シンプルな形でサイドにボールを送り、そこからのクロスに選手がゴール前へなだれ込んでいく。その力強さは、熱狂的なサポーターの作り出す雰囲気に後押しされている面もあるだろう。ただそれゆえに、攻撃が単調なクロス一辺倒になってしまう側面もある。
そこにこそ、香川が活きる道はある。