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香川真司「周りがいくら騒ごうが」
熱狂のベシクタシュで今思うこと。
 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2019/02/14 11:00

香川真司「周りがいくら騒ごうが」熱狂のベシクタシュで今思うこと。<Number Web> photograph by AFLO

ホーム初戦で香川は得点に絡めなかったが得意のターンで攻撃のリズムを作った。ファンの期待も日ごとに高まっているようだ。

引いてボールを受けられれば。

 トップ下が主戦場となりそうだが、サイドMF、インサイドハーフなどのポジションでも試合に出るつもりだと、意欲を隠さない。

「みんながゴール前で待っている感じがある。そこで一歩引いてボールを受けようとする選手がいないのは事実。その役割を自分が担えたら、もっと違ったバリエーションが生まれてくると思う。アデムだったり、技術のある選手はいるので」

 アデムというのはセルビア代表のリャイッチのこと。チームで最も市場価値の高い攻撃的なMFであるリャイッチと香川はブルサスポル戦で初めて一緒にプレーし、リャイッチはサイドMFに入った。彼との連係も今後突き詰めていきたいところだろう。

 香川はベシクタシュで自らに期待される仕事を、こう端的に表現している。

「得点だったり、どれだけチャンスをつくれるのか。非常に大きなものを求められていると思います」

これに甘えていたらいけない。

 香川は1月31日、ドイツからのチャーター便でイスタンブールの空港についた瞬間から、ハリウッドスター到着のような歓迎を受けていた。それはアンドレス・イニエスタのヴィッセル神戸入団時をしのぐような熱狂ぶりだった。

「トルコに着いた日から、彼らからのリスペクトを感じます。ある程度、素晴らしいキャリアを残した選手がトルコに来て気持ちよくプレーしているのは、みんなのリスペクトを非常に感じるからだと思うので」

 香川は「それは非常にありがたいですよ!」と噛みしめる一方で、こうも話している。

「だけど……なんていうんですかね、これに甘えていたらいけないので。ここで結果を残してこそ、次につながるものになるので。そこは本当に、自分というものを厳しく持って、やっていきたいなと思っています」

 中国やカタールとは違って、トルコはヨーロッパの中にあり、チャンピオンズリーグにも出場できる。またサッカー選手への圧倒的なリスペクト、熱狂がある。香川もそうした先人たちにリスペクトを持っている。ただ、そんな環境に居心地の良さを覚えて、トルコで安住する選手はいるのかもしれない。

 しかし、香川はそうではない。

【次ページ】 年末に漏らしていた思い。

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