マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
プロ野球、コーチの年俸が低すぎる?
なぜ「指導」の対価は上りづらいか。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2019/02/07 11:00
ソフトバンクはやはりコーチの待遇もいい。本多雄一のような選手を招聘できることの価値は計り知れない。
対価が指導現場の隠れた問題?
たとえば、野球部の指導者は部員から「部費」を集めて、その中から「指導費」として、いくばくかのお金を得ても個人的には構わないと思っている。
部員たちが「一生の友」として大切にしていける野球という競技を教えながら、ある意味で家族、両親に代わって、もっと大切な人としての「しつけ」を施す。そんな大役を担う者が、無償でよいわけがないだろう。
もしかして、そこのところに正当な「対価」が支払われていないことが、指導者たちのストレスの意外に大きな部分を占めているとしたら……。
それが、指導の現場のさまざまな問題の、実は「隠れた主な要因」になっていたとしたら……。
指導者たちの「指導」のあり方という難題の本質の“断片”が、そこに見え隠れしているような、そんな気さえしてきて、私の心はとてもモヤモヤとしている。