“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
根尾昂はいつ中日で優勝できる?
松坂、田中、大谷の例を見てみると。
posted2019/02/06 11:45
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Kyodo News
根尾昂(内野手・大阪桐蔭→中日)のニュースが毎日、ネットやスポーツ紙に大きく取り上げられている。これほど話題になる新人は、過去中日にこれまでいただろうか……。
2012年の高橋周平(内野手・東海大甲府)、'07年の堂上直倫(内野手・愛工大名電)……いやいや、そんなレベルではない。私の記憶では1988年の立浪和義(内野手・PL学園)以来の騒がれ方である。
この根尾の存在は、中日にとってとてつもない追い風になると思う。
広角に打ち分けられる技術。
中日は投手陣も弱体だが、野手陣も弱い。昨年、首位打者と最多安打の二冠に輝いているベストナイン(一塁手)のビシエド、今季31歳になる平田良介、33歳の大島洋平……彼ら以外に安定した戦力はいないと言っていいのではないか。そういう中で、根尾は「即戦力」としての魅力に溢れる。
昨夏の甲子園大会3回戦では高岡商のドラフト候補・山田龍聖(JR東日本入社予定)から第3打席でライト方向に二塁打。
準々決勝の浦和学院戦では第1打席で渡邉勇太朗(西武2位)の140キロストレートを左中間にホームラン。
決勝の金足農戦では吉田輝星(日本ハム1位)から第3打席で140キロストレートをバックスクリーンに放り込んでいる。
紹介した打球でわかるように、広角に打ち分ける技術をすでに持っており、差し込まれたかと思うところから、さらに押し込んでホームランにするパワーもある。打った相手はドラフト候補や上位指名された本格派ばかりである。
夏の甲子園大会が終わってから行われた侍ジャパンの壮行試合、高校日本代表対大学日本代表戦では田中誠也(立教大学3年)、小島和哉(ロッテ3位)からヒットも放っている。技術的にも実績でも文句はない。