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新人王資格を残してのロッテ2年目。
安田尚憲に全国区スターの期待感。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2019/01/21 10:00
年明け早々、母校・履正社高のグラウンドでバットを振る安田。
ルーキーイヤーで初本塁打。
プロ2年目、今年4月で20歳の誕生日を迎える安田。
その身体は昨年のシーズン中よりもひとまわり大きくなったようにも思えた。
「体重は変わっていないんですよ。周りからもちょっと絞れたねって言われるくらいで。ただ、筋トレはしっかりできているので、引き締まった感じはしますかね」
2月1日のキャンプインに向けて「準備万端」である。そう顔に書いてあるようであった。
昨年は一軍で17試合に出場し、8安打、打率.151の成績。新人王の資格をぎりぎり残す60打席でシーズンを終了した。
その60打席を振り返ると、数多くのシーンが蘇る。
プロ12打席目でようやく飛び出した初安打、故郷の大阪でプロ入り後、初めて三塁の守備に就きフル出場、その試合で4打点の活躍もした。そして10月2日、ヤフオクドームで飛び出したプロ初本塁打。
シーズントータルの数字こそ厳しいものだったが、シーズンが進むにつれて右肩上がりで結果を残したのは評価に値するものだし、新人王資格を今季以降に残してのシーズン終了も「今年こそ新人王を獲って来い」という井口資仁監督からの無言のメッセージと捉えても良い。
覚醒、そして大きな飛躍が期待されるプロ2年目へ。安田も相当の決意を持って臨んでいくことだろう。
鈴木の存在とレアード加入。
とはいえ、彼に定位置が約束されているわけでは決してない。
昨年は三塁で143試合フル出場を果たしたチームリーダーの鈴木大地を大本命に、昨季まで北海道日本ハムに所属していたブランドン・レアードの入団と安田にとって、けっして低くない壁が立ちはだかる。
さらには昨年の秋季キャンプおよび台湾遠征で成長著しかった香月一也や、内野ならどこでも任せられるユーティリティープレイヤー三木亮といった面々も虎視眈々と定位置獲りを狙っている。
相手チームと戦う前に、まずは自軍の定位置争いを勝ち抜く必要がある。
2月1日に迎えるキャンプインは、安田にとって開幕戦を迎えるのと同じくらいの意味があると言っていい。