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養豚場から届いた便り。剛球一辺倒の
元ファイターズ戦士、第二の人生。

posted2019/01/21 07:30

 
養豚場から届いた便り。剛球一辺倒の元ファイターズ戦士、第二の人生。<Number Web> photograph by Kazumasa Kikuchi

NPBでは通算8年プレーして、9勝7敗1セーブ、40ホールド。DeNAを自由契約となった2014年には右肩手術も経験した。

text by

高山通史

高山通史Michifumi Takayama

PROFILE

photograph by

Kazumasa Kikuchi

 裏があれば表がある。日陰があれば日向がある。

 その道理は、プロ野球界も同じである。

 1月。12球団のルーキーたちが新人合同自主トレで一斉に動き出した。まったくの同数ではないが、近似値で今年から球界を去っていった者たちがいる。

 第二の人生、いわゆるセカンドキャリアをスタートさせた元選手たちの踏み出した一歩の先が、気になるのがこの時期である。

 そんな時、ふと便りが届いた。北海道日本ハムファイターズのファンであれば、懐かしい名前だと感じる方々も少なくないのではないだろうか。以下、敬称略で表記する。

リーグ優勝に貢献した菊地和正。

 菊地和正――。

 現在36歳になった彼は、投手だった。北海道日本ハムファイターズとして記念すべき1年目のシーズンである2004年のドラフト6巡目指名で入団(その年のドラフト1位は、現シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手だった)。2009年には58試合に登板して、リーグ優勝にも貢献した中継ぎ右腕である。

 2012年からは横浜DeNAベイスターズへ移籍。2015年にBCリーグの群馬で兼任投手コーチを務めてNPB復帰を目指したが叶わず、同年限りで現役を引退した。

 その後は野球界から離れ、足取りについて詳しく知ることはなかった。この年明け、思いがけずに、縁がつながったのだ。

 彼は、2019年から本格的に養豚家へと転身をしていたのである。

 スポーツニッポン新聞社の横市勇デスクがコラムで紹介していたのでご存知の方々も多いだろうが、こちらでも近況を記させていただく。

 前職のスポーツ紙の記者時代、よく取材をしていた対象の1人だった。愚直なまでに正直。アドバイスを請われて、時にアドバイスをしたにも関わらず、聞く耳はなし。まったく折れないほど信念も強い、真っ直ぐな人間だったと、今も思い出す。

【次ページ】 子豚を抱っこした写真が。

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菊地和正
北海道日本ハムファイターズ

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