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新人王資格を残してのロッテ2年目。
安田尚憲に全国区スターの期待感。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2019/01/21 10:00
年明け早々、母校・履正社高のグラウンドでバットを振る安田。
ボールの下半分を捉える。
そんな先輩らに立ち向かえるようにと、安田も自身のセールスポイントである長打力に磨きをかけている。この日行った置きティーでも、ボールの下半分を捉えるよう練習をひたすら続けていた。
「置きティーを打つときってボールの上を打ってしまうことがよくあるので、そうならないように、多少下をこすってもいいイメージで」
打球に強烈なバックスピンをかけるためだ。
昨年10月の福岡ソフトバンク戦でプロ初本塁打を記録した安田だったが、一軍での本塁打はこの1本のみで終わった。同期のライバル・清宮幸太郎の打った7本ともインパクトという点で若干の差がついた。
「昨年の最後は、打球があまり上がらなくなっていたというか、ちょっとヒット性が多い気がしました。もちろんそれでも全然良いと思うんですけど、今年はもう少しだけホームランが打てるようになりたいと思っています。150km以上の強い真っ直ぐにも負けない力強いスイングを身につけたい。そう思っています」
兄がいる三菱重工名古屋へ。
プロ2年目の今季、自身に課した本塁打数は最低2桁。それでも目標の新人王のタイトルまで見据えれば、少ない数字かもしれない。当然、安田もそれ以上の数字を頭に描いていることだろう。
千葉ロッテだけにとどまらず、球界を代表するスラッガーへ。
その決意を彼は胸の奥に秘めている。
今年の自主トレ先として社会人野球の三菱重工名古屋を選んだのも、彼の強い自覚を感じさせた。
「ここ(浦和)に来ても、だんだん人が多くなってくると思うので、できるところまでちゃんと向こうでやってこようかなって思っています」
三菱重工名古屋の主将には安田が一番の信頼を置いている兄・亮太がいる。滞在は約2週間の予定だが、昨年の社会人野球日本選手権優勝の同チームの中で、緊張感がある時間を過ごせるのは安田にとって大きなプラスになってくるはずだ。2月1日のキャンプインも最高の状態で迎えることができそうだ。