JリーグPRESSBACK NUMBER
コンサドーレ史に残る奇跡の立役者、
「古川先生」は東洋大監督で奮闘中。
text by
渡辺功Isao Watanabe
photograph byIsao Watanabe
posted2018/12/20 07:30
かつて札幌などに所属した元Jリーガー、古川毅監督(右端)率いる東洋大。インカレ初勝利で部の歴史に新たな足跡を残した。
FW坂元は山形入団が内定。
1年生春の開幕戦から先発。4年間計88試合のリーグ戦中86試合に出場したボランチの高橋宏季は「いろんな人と出会って、いろんな経験をして。成長できた4年間でした。最初は2部でしたけど、最後にこうして全国大会に出られるくらいのチームになって良かった。古川さんはすごく真面目な人。自分がダメなときもずっと使ってくれて。ここまで育ててくれた」と、ともにサッカー部の新たな歴史をつくってきた監督に感謝した。
インカレ1回戦で先制点をあげたエースFW坂元達裕も「自分はシュートがあまり巧くなくて。入学した頃から特にファーサイドのシュートについて、監督からずっと言われてきた。今年はその形で得点につなげることができた。古さんは本当に真面目で尊敬できる人。チームがうまくいかないときもあったけど、あの人に付いていけば、何とかなるだろうと思っていた」と信頼を寄せた。
ちなみに坂元は、来シーズンからのモンテディオ山形入団が決まっている。5年前に東洋大から札幌入りした松本怜大(現山形)に続き、古川は自身が在籍した古巣に選手を送り届けることになった。
Jでのプレー経験を持つ監督。
「毎年この時期は、インカレの大会運営やサポートをしていましたけど。今年初めて自分たちが表舞台に立って、勝利も味わえました。ですが、この舞台で負ける悔しさを味わえたことが、後輩たちにとって何より大きなことだと思います。
インカレの悔しさはインカレでしか返せないってことは、3年生以下の選手たちに伝えました。また1年間ハードワークして。次こそはファイナルまでたどり着けるようなチームをつくって、この舞台に戻って来たいと思います」
順天堂大の堀池巧監督、常葉大の澤登正朗監督といった日本代表経験者や、関東1部復帰1年目でリーグ優勝した早稲田大の外池大亮監督など、今年のインカレに出場した24大学のうち半数以上が、Jリーグでのプレー経験を持つ監督が率いている。コーチやスタッフまでカウントすれば、元Jリーガーが関係していない大学を探すほうが難しいくらいだ。
先輩から後輩へ。Jリーガーから学生たちへ。引退した選手からかつて在籍したチームへ。形はさまざまに、想いは受け継がれていく。