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『サッカーおくのほそ道』
全国のクラブ取材で見えてくる、
サッカーと土地のシビアな関係。 

text by

津村記久子

津村記久子Kikuko Tsumura

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photograph bySports Graphic Number

posted2018/12/19 07:00

『サッカーおくのほそ道』全国のクラブ取材で見えてくる、サッカーと土地のシビアな関係。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『サッカーおくのほそ道』宇都宮徹壱著 KANZEN 1700円+税

 日本のサッカーの周辺をうろうろしていると、「JFLの門番」「地獄の北信越リーグ」といったぐっとくる言い回しに出くわすことが多々ある。それらは名の知れたJ1のクラブが関わっていることというよりはむしろ、三部四部五部に相当するようなカテゴリのチームやリーグを形容するものだったりして、サッカーが持つ物語の多様性と奥の深さに感心する。何より、これらの言葉からは、きらびやかで誰もが知っている世界にフレーズを上塗りするのではなく、それを下支えする地層をめいっぱい楽しもうという心意気が伝わってくる。本書では、その地層の内外の人々の貴重で興味深い証言がまとめられている。

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