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女子レスリングの死闘が始まる……。
東京五輪へ向けた競争がスタート!
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byNaoki Morita/AFLO SPORT
posted2018/12/19 10:30
10月に行われた全日本女子オープン選手権(57kg級)。決勝での伊調馨に、快勝の笑顔は無かったが……。
須崎、登坂、入江の三つ巴!
もうひとつの超激戦区は女子フリースタイル50kg級。
この階級は世界選手権V2の須崎優衣、リオデジャネイロ五輪で金を獲得した登坂絵莉、昨年の全日本選手権で優勝した入江ゆきの三つ巴といわれている。
登坂が「日本の軽量級は誰が出ても世界選手権で金を獲れる」と語るように、ある意味日本の最軽量級で優勝することは世界の頂きを制することより難しい。
昨年、世界選手権で初優勝を遂げた須崎はその勢いで全日本選手権優勝を狙ったが、準決勝で入江に10-0のテクニカルフォール負けを喫してしまった。結局、須崎は今年6月の全日本選抜選手権決勝で入江をフォールして雪辱。プレーオフでも入江を下して世界選手権への出場切符を掴んだ。
“若きレジェンド”登坂の現在。
入江は登坂に対しても“天敵”と呼ばれていた時代があり、高校時代まで遡れば、計5回も登坂を下している。今年6月の全日本選抜選手権準決勝では6-2で登坂を下し、決勝に進出している。
登坂は2013年から2016年までオリンピックと世界選手権で優勝し続けた軽量級の若きレジェンド。
しかしながらリオデジャネイロ五輪以後はケガに泣く。昨年の全日本選手権では左ヒザと足首を負傷していたにもかかわらず強行出場したが、初戦を突破した時点で棄権せざるをえなかった。
果たして今回はどうなのか。
「最近は大きなケガもなく、コンスタントに練習できている。(手術までした左足親指の)痛みは残っているけど、マット練習にも入れている」(登坂)