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女子レスリングの死闘が始まる……。
東京五輪へ向けた競争がスタート!
posted2018/12/19 10:30
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
Naoki Morita/AFLO SPORT
今年の「全日本レスリング選手権」(12月20~23日・駒沢体育館)は史上最大といっていいほどの熾烈な闘いが繰り広げられそうだ。
この大会が東京オリンピックの予選第1ラウンドと設定されているのだから無理もない。
男子フリースタイル、男子グレーコロマンスタイル、女子フリースタイルとも10階級ずつ行われるが、オリンピックは各スタイルとも6階級ずつ。それが何を意味するかといえば……オリンピック階級に強豪選手が集中するということだ。
対照的に非オリンピック階級はいずれもエントリー人数が極端に少ない。
女子55kg級に至っては4名しか出場しない。大半の選手がオリンピックを目指さなければ意味はないと考えているのか。
中でも直近の世界選手権で金4、銀1、銅2と計7個のメダルを獲得した女子の東京五輪出場レースは壮絶を極める。
今年の世界王者同士の闘いに。
例えば女子53kg級では、今年の世界選手権で同階級の世界王者になった奥野春菜だけでなく、同選手権55kg級を制した向田真優も出場する。
ふたりは至学館大に所属しており、普段は一緒に練習する仲だ。世界王者同士の対決に期待が高まる。
最も注目されているのは57kg級だ。
話題の主はリオデジャネイロ・オリンピックで女子では初めて五輪4連覇を達成したあと長らく休養していたが、「全日本女子オープン選手権」(10月14日・三島)で2年2カ月ぶりに復帰し、57kg級で当たり前のように優勝した伊調馨だろう。