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柔道・角田夏実33歳が現役引退…“最強のライバル”も涙「なっちゃん、私を柔道に戻してくれてありがとう」親友の心を揺さぶった金メダルと巴投げ
posted2026/02/08 11:27
パリ五輪女子柔道48kg級で金メダルに輝いた角田夏実。あれから1年半、第一線から退くことを表明した角田に対し、かつてのライバルが労いの言葉を送った
text by

石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
JMPA(Natsumi Tsunoda),Kiichi Matsumoto
「中途半端な気持ちで(2028年のロサンゼルス)オリンピックは目指せない」
1月30日、パリ五輪柔道女子48kg級金メダルの角田夏実(33歳)が会見を開き、競技の第一線から退くことを表明した。
「(昨年)2月のグランドスラム・バクー大会で試合に出させてもらいましたが、それ以降なかなかモチベーションが上がりませんでした。そのときに怪我やメンタル面でパリオリンピックまではだましだましやってきたんだなということを感じてしまって。4月の体重無差別の皇后盃全日本柔道選手権大会が終わった後に、一度競技から離れてしっかり自分と向き合うことにしたんです」
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引き際を決めたのは昨年12月のグランドスラム東京開催時だったという。「舞台にもう一度立ちたいと思わなかった」と当時の苦しい胸の内を明かした。
「あの舞台で戦っている選手の姿を見たとき、“自分も本当に苦しかったな”と思ったんです。そう感じた時点で、次の大会に出るのは厳しいと感じましたね」
約1年という時間をかけじっくりと考えたからこそ、第一線から退く寂しさを感じながらも、「やりきった」と晴れやかな表情を見せていた。
“最強のライバル”が見た引退会見
この引退会見を感慨深い気持ちで見守っていたのが、角田が学生時代、どうしても勝つことができなかった、そして当時憧れていた同学年のライバル、染宮杏子さんだ。
「柔道と真摯に向き合い、取り組んできたからこそ生半可な気持ちで畳に上がるのは、相手に対しても自分に対しても失礼だと決断されたんだと思います。そういう部分は本当になっちゃんらしいなと感じましたね」


