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MotoGP6年目で5回の年間王者に。
“転倒王”マルケスが最強の理由。
posted2018/12/18 10:30
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
2輪の最高峰MotoGPクラスは、今年もホンダの若きチャンピオン、マルク・マルケスが圧倒的な強さでタイトルを獲得した。
20歳で2輪での最高峰クラスにデビュー。
史上最年少記録でチャンピオンに輝き、以来、6年目にして5回のタイトル獲得。125cc、Moto2クラスを入れると7回目の世界タイトル獲得となった。
今年は、史上初の19戦という長丁場。第12戦イギリスGPが雨の影響で38年ぶりに決勝レースが中止になり、事実上これまでと同じ全18戦でのチャンピオンシップとなったが、第16戦日本GPでシーズン8勝目を挙げて早々にタイトルを決めた。その後、第18戦マレーシアGPで9勝目まで達成してしまった。
マルケスの圧倒的強さの裏付けは?
MotoGPクラスでマルケスは、この6年間で108戦して通算44勝、77回の表彰台獲得という圧倒的な勝率と表彰台獲得率を誇っている。
予選順位にポイントをつけて算出されるシーズン最速ライダーに対し、BMWからクルマが贈呈される「BMW・M・アワード」も6年連続で獲得している。
さらに今年はシーズン23回の転倒を記録して“転倒王”にも輝くなど、MotoGPクラスのタイトルと記録を全制覇。
これが、いまのマルケスの圧倒的な強さを証明しているようだ。
転倒はフリー走行、予選がほとんどで、決勝レースで転んだのは第6戦イタリアGPと、タイトルを決めた後の最終戦バレンシアGPだけ。バレンシアGPでは、レース中に激しい雨となり転倒者続出のサバイバルレースとなったが、すでにチャンピオンを決めているマルケスはホームGPで果敢に優勝を狙っての転倒だった。