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速いホンダがついに復活! セパンテストでの1452日ぶりのトップタイムが証明する躍進の兆し…HRC首脳も「今年は成果が出ると思う」

posted2026/02/10 17:02

 
速いホンダがついに復活! セパンテストでの1452日ぶりのトップタイムが証明する躍進の兆し…HRC首脳も「今年は成果が出ると思う」<Number Web> photograph by Satoshi Endo

マレーシア・セパンでの今季初テストで3日間通して好タイムをマークしたジョアン・ミル

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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Satoshi Endo

 2月上旬、マレーシアのセパンで行われた今季初テストで、久しぶりに「速いホンダ」が復活した。テストは3日間の日程で行われ、その2日目に、ホンダワークスのジョアン・ミルがトップタイムをマークした。ホンダがテスト、公式レースのセッションを含めて首位に立ったのは、2022年2月のインドネシアでポル・エスパルガロがトップタイムをマークして以来、実に1452日ぶりのこと。この数年、チャンピオン争いから遠ざかっていただけに、僕だけでなく、日本のレースファンにとっても、うれしい出来事だったに違いない。

 コースサイドで見ていても、今年のホンダRC213Vはブレーキング、コーナーリング、そしてコーナーからの立ち上がりが実にスムースで、乗りやすいバイクに変化しているように見えた。それが2日目のトップタイムにつながったのだが、3日間を通じてミルは大接戦の中で常にひと桁台のポジションにつけ、チームメートのルカ・マリーニも、6位、11位、16位の好結果で3日間を走り切った。

 特筆すべきは最高速が伸びたこと。3日間総合のデータでは、ドゥカティ、KTMの345km/hに次ぐ342.8km/hで3番目だが、その差はわずか2.2km/h。2日目には最高速とトップタイムを記録するなど、ライバル陣営も目を見張る速さを見せた。

自信を取り戻した元王者

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 2日目の走行が終わって報道陣に囲まれたミルは、世界王者になったころの自信あふれる表情を取り戻し、こう語った。

「これまでより全体的にうまく機能しているし、チームの雰囲気などすべてにおいて良くなっていると思う。僕としても、2020年や21年の頃の感覚、ホンダに来る前の感覚になってきた。去年はひどい状況からのリハビリ期間だったように感じるし、今年はバイクがさらに良くなっている。こうしたひとつひとつの良い瞬間が、さらに自信を与えてくれる。僕は自信を持てば強くなれるし、(スズキ時代は)それを証明してきたからね」

 ミルは2020年にスズキでタイトルを獲得。21年はチャンピオン争いに加わって総合3位。スズキが撤退を決めた22年はケガのために総合15位と苦戦。23年はホンダワークスに移籍するが、当時のホンダは最悪の状態だった。

 周囲の予想通り、ミルはホンダで苦戦する。23年22位、24年21位。そして、ミルが「リハビリ期間となった」と語る25年は、ホンダがどん底状態からやや復活の兆しを見せて、3位2回で表彰台に立つも、マシンのポテンシャル不足を補うような限界を超える走りでの転倒が多く、22戦中13回のリタイアを記録していた。

【次ページ】 パフォーマンス向上の要因

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