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香川や乾、昌子がアジア杯選外でも
森保監督が「ベスト」と言う理由。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/12/14 13:30
10月に行われたウルグアイ戦の先発11人は、全員アジア杯のメンバーに登録された。
香川らの序列を「横」に置いた。
4年前を振り返ってみてください。
ブラジルワールドカップ後に就任したハビエル・アギーレ監督は立ち上げ時に呼ばなかった経験ある長谷部誠、遠藤保仁、今野泰幸らをアジアカップ前に呼び戻しています。最初のメンバーで指揮官の思い通りに進んでいたら、彼らに頼らなかった可能性もあると思います。
なぜアギーレ監督は、経験ある選手を代表に戻したのか。理由は1つ。アジアカップは勝たなければならない大会だからです。成長値と経験値を天秤にかけ、後者を選択したように私は受け止めています。
言うまでもなく森保監督も結果にこだわっています。
その意味でも今回のノーサプライズは、むしろ勇気がいると思います。ロシアワールドカップで日本はベスト16まで進み、強豪ベルギーを苦しめました。もしアジアで勝てなかったら「香川や乾を呼んでおけば良かった」「昌子が必要だった」などという声が挙がることもあるでしょう。
それも承知のうえで現メンバーを信頼し、このチームで結果を出せると信じているということ。ただ、香川、乾、昌子らの序列が現メンバーよりも「下」という位置づけではないように思います。むしろ「横」に置いている感じです。
アジア杯で基礎工事の総仕上げ。
アジアカップは決勝まで進めば約1カ月の活動期間があり、試合をこなしながらチームを強化できる貴重な機会です。
2007年に東南アジア4カ国の共催だったアジアカップではイビチャ・オシム監督が、選手たちにみっちりトレーニングさせたことを思い出します。
森保監督としても現メンバーで基礎工事の総仕上げをして、チームコンセプトの根幹を揺るぎないものにしたいと考えているはずです。