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長谷部誠の茶髪時代を覚えてる?
失点0にこだわり続ける職人の今。
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph byAFLO
posted2018/11/24 11:00
身長180cmでスリムな長谷部はブンデスリーガでも小柄な部類に入る。大きな選手をふっ飛ばしている光景も、珍しくない。
「ゼロで抑えられて良かった」
「前半は、シャルケもかなりしっかりやってきたというか、後ろは固いなっていう感じでしたね。でも後半は、多少オープンになった部分もありますし、前の3人の圧力にだんだんシャルケのDFが耐えられなくなってきて……そこは前半からジャブとして非常に効いていたんじゃないかなあと思います。
個人的にはやっぱり今日は、後ろをゼロで抑えられたというのが、良い結果だと思います」
ピッチの上に立っていて、シャルケの攻撃にさほど怖さは無かったという。
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「シャルケ自体、今シーズンそんなに点が取れていないので、そういう意味では、やっていてもそんなに危ない場面っていうのも無かったと思います。
セットプレーやカウンターは気を付けないといけないと思っていましたけど、怖さはそこまで無かったので……とにかくゼロで抑えられて良かったですね」
長谷部は、「とにかく」失点を「ゼロで抑えられた」ことを強調した。
3バックの中央で守備を司る選手とすれば、敵に得点を許さないことでチームを勝利に導こうとするのは、当然のことかもしれない。
しかし、ここに今季の長谷部のこだわりがあるのだ。
「自分たちがトップ・マンシャフト」
シャルケ戦を前に、アディ・ヒュッター監督は、次のような言葉で選手たちを鼓舞したという。
「今このブンデスリーガで、自分たちがトップ・マンシャフトであることを今日証明しよう」
「トップ・マンシャフト」というドイツ語を、そのまま訳せば、「トップのチーム」ということになる。
ヒュッター監督の意図をより正確に汲み取ろうとすれば、トップクラスのクオリティを備えたチーム、ということになるだろうか。
今季から指揮を執るオーストリア人監督は、開幕直後の序盤戦こそ4バックを選択していたが、やがて昨季までチームを率いたニコ・コバチ監督が手塩に掛けた3バックを踏襲。第2節のベルダー・ブレーメン戦ではベンチ外、第3節のボルシア・ドルトムント戦では出場機会の無かった長谷部も、必然的に昨シーズン同様リベロのポジションを任されるようになった。