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長谷部誠の茶髪時代を覚えてる?
失点0にこだわり続ける職人の今。
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph byAFLO
posted2018/11/24 11:00
身長180cmでスリムな長谷部はブンデスリーガでも小柄な部類に入る。大きな選手をふっ飛ばしている光景も、珍しくない。
頑強な守備を誇る国にあって……。
系譜を紐解けば大型のCBを売りにしてきたドイツ・サッカーにあって、180cmと決して長身ではない長谷部が3バックを束ねる様は、異彩を放っている。
だがブンデスリーガを戦い抜いてきた日本人フットボーラーの能力に、懐疑の目を向ける者はいない。
今ではヒュッター監督、チームメイト、ドイツ・メディア……フランクフルトを取り巻く誰もが認める守備の名手である。
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10月4日にホームで戦ったヨーロッパリーグのラツィオ戦では、チロ・インモービレと堂々と渡り合い、イタリア代表FWに仕事をさせなかった。ローマの名門を相手に守備に奔走するリベロは、もはやアズーリよりもアズーリらしかった。
ロシアW杯の出場権を逃したイタリア代表は、カテナチオの伝統から離れつつあるようだ。ロベルト・マンチーニ監督率いるアズーリは、17日にサン・シーロで行われたネーションズリーグ、対ポルトガル代表戦を、どちらかと言うとポゼッション・スタイルで戦った。
だが、本家がこれからどのような方向に向かおうとも、カテナチオの潮流そのものが途絶えることはなさそうだ。
姿形は多少違えども、スペインではアトレティコ・マドリーが堅陣を築き上げている。
そしてドイツでは長谷部誠が、最後の番人として門に鍵を掛けている。